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「のどに違和感がある」「首にしこりができた」「声がかすれる」
——こうした症状が続いている方はいらっしゃいませんか?これらは頭頸部がんの初期症状である可能性があります。
頭頸部がんとは、鼻、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺、唾液腺など、首から上の部位に発生するがんの総称です。
日本では年間約2万5千人が頭頸部がんと診断されており、早期発見・早期治療が極めて重要な疾患です。
頭頸部がんの種類と発生部位
頭頸部がんは発生する部位によって分類され、それぞれ特徴的な症状を呈します。
患者様の中には「まさか自分ががんだとは思わなかった」と話される方も少なくありません。
しかし、早期に気づくことで治療の選択肢は大きく広がります。
喉頭がん(声帯を含む)
喉頭がんは、声帯やその周辺に発生する頭頸部がんの一種です。
男性に多く、喫煙との関連性が非常に高いことが知られています。
厚生労働省の統計によると、喫煙者は非喫煙者に比べて喉頭がんの発症リスクが約30倍高いとされています。
主な症状
声のかすれ(嗄声)が最も代表的な初期症状です。2週間以上続く声のかすれは要注意のサインです。
進行すると、呼吸困難、血痰、のどの痛み、飲み込みにくさ(嚥下困難)などが現れます。
咽頭がん(上咽頭・中咽頭・下咽頭)
咽頭がんは、鼻の奥から食道入口部までの範囲に発生する頭頸部がんです。
発生部位により上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分類されます。
上咽頭がんは鼻の奥に発生し、初期には鼻づまり、鼻血、耳の閉塞感などの症状が現れます。
中咽頭がんは、口を開けて見える「のどちんこ」の周辺に発生します。のどの違和感、飲み込む際の痛み、首のしこりなどが初期症状です。
下咽頭がんは食道入口部付近に発生し、初期症状に乏しく発見が遅れやすい頭頸部がんの一つです。飲み込みにくさ、のどの異物感、耳への放散痛などが特徴的です。
口腔がん(舌がん・歯肉がんなど)
口腔がんは、舌、歯肉、頬粘膜、口底、硬口蓋など口の中に発生する頭頸部がんです。中でも舌がんは口腔がんの約60%を占め、最も頻度の高い病型です。
原因:
喫煙と飲酒の相乗効果が主な原因です。また、合わない義歯や歯の鋭縁による慢性的な機械的刺激も口腔がんのリスク因子とされています。
主な症状
初期には口内炎に似た白っぽいまたは赤っぽい粘膜の変化、しこり、ただれなどが現れます。2週間以上治らない口内炎は口腔がんを疑う必要があります。
進行すると痛み、出血、しびれ、開口障害などが生じます。
原因
喫煙と飲酒の相乗効果が主な原因です。
また、合わない義歯や歯の鋭縁による慢性的な機械的刺激も口腔がんのリスク因子とされています。
鼻腔・副鼻腔がん
鼻腔や副鼻腔(上顎洞、篩骨洞など)に発生する頭頸部がんです。
主な症状
片側の鼻づまり、鼻血、鼻汁、頬部の腫れや痛み、歯の痛み、視力障害などが現れます。慢性副鼻腔炎と症状が似ているため、診断が遅れることがあります。
唾液腺がん
耳下腺、顎下腺、舌下腺などの唾液腺に発生する頭頸部がんです。良性腫瘍との鑑別が重要です。
主な症状
耳の下や顎の下の腫れ、しこり、顔面神経麻痺(顔が動かしにくい)、痛みなどが特徴です。
頭頸部がんの原因
頭頸部がんの発症には、日常生活の中に潜む複数の要因が関わっています。
以下、主なリスク因子について詳しく解説します。
1.喫煙と飲酒
喫煙は頭頸部がんの最大のリスク因子です。
たばこに含まれる発がん物質が粘膜を直接刺激し、DNAを損傷させます。また、アルコールは粘膜のバリア機能を低下させ、発がん物質の浸透を促進します。
国立がん研究センターの研究によると、喫煙と飲酒の両方を習慣とする人は、どちらもしない人に比べて頭頸部がんのリスクが約40倍高まることが報告されています。
特に下咽頭がんや食道がんでは、この相乗効果が顕著です。
2.ウイルス感染
HPV(ヒトパピローマウイルス)
近年、中咽頭がんの増加にHPV感染が関与していることが明らかになっています。
EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)
上咽頭がんの発症に強く関連しているといわれています。
3.職業性曝露
木材や皮革の加工に従事する方は、鼻腔・副鼻腔がんのリスクが高いことが知られています。
ニッケル、六価クロム、ホルムアルデヒドなどの化学物質への長期曝露も危険因子です。
4.その他のリスク因子
慢性的な機械的刺激(合わない義歯など)、胃食道逆流症、免疫不全状態、遺伝的素因なども頭頸部がんのリスクを高める可能性があります。
頭頸部がんの症状と早期発見のポイント
頭頸部がんは初期には症状が軽微で見過ごされがちですが、以下のような症状が2週間以上続く場合は、早めに耳鼻咽喉科専門医を受診することが重要です。
注意すべき症状チェックリスト
- 声の変化 ・・・2週間以上続く声のかすれ、声が出しにくい
- のどの症状 ・・・のどの違和感、異物感、飲み込みにくさ、のどの痛み
- 鼻の症状 ・・・片側だけの鼻づまり、鼻血(特に繰り返す場合)
- 口の中の変化・・・治らない口内炎、しこり、白い斑点(白板症)
- 首の腫れ ・・・首のしこり、リンパ節の腫れ
- 耳の症状 ・・・片側だけの耳の詰まり感、難聴
- その他 ・・・原因不明の体重減少、持続する咳、血痰
これらの症状は風邪や炎症でも起こりますが、2週間以上改善しない場合は精密検査が必要です。
「様子を見よう」と放置せず、早期に専門医を受診することが、治療効果を大きく左右します。
当院での頭頸部がん診療の流れ
姫路市飾磨区のうおずみ耳鼻咽喉科では、頭頸部がん専門医としての豊富な経験を活かし、以下のような診療を行っております。
1.詳細な問診と視診
患者様の症状、経過、生活習慣(喫煙・飲酒歴など)について丁寧にお伺いします。
また、口腔内、咽頭、喉頭を視診して異常がないかを確認します。
2.内視鏡検査
当院では最新の内視鏡システムを導入しており、鼻腔、咽頭、喉頭の詳細な観察が可能です。
細い内視鏡を鼻から挿入し、のどの奥まで観察します。苦痛の少ない検査で、数分で終了します。
内視鏡検査によって、肉眼では見えにくい早期の粘膜変化や腫瘍を発見できます。
患者様にもモニターをご覧いただきながら、わかりやすく説明いたします。
3.触診と頸部超音波検査
首のリンパ節の腫れやしこりを触診で確認します。
必要に応じて超音波検査を行い、リンパ節転移の有無を評価します。
4.専門医療機関への紹介
頭頸部がんが疑われる場合、あるいは精密検査(生検、CT、MRI、PETCTなど)や専門的治療が必要な場合は、速やかに適切な医療機関をご紹介いたします。
当院では、姫路市内はもちろん、兵庫県立がんセンタ、神戸大学医学部附属病院など、県下の高度医療機関と緊密な連携体制を構築しております。
頭頸部がんの治療方法
頭頸部がんの治療は、がんの種類、進行度(ステージ)、患者様の全身状態などを総合的に評価して決定されます。
ここでは主な治療法について解説します。
手術療法
頭頸部がんの根治を目指す基本的な治療法です。
早期がんでは、内視鏡を用いた低侵襲手術(経口的切除術など)により、機能を温存しながらがんを切除できることがあります。
進行がんでは、がんとその周囲組織、リンパ節を含めて広範囲に切除する手術が必要になります。
切除後は、再建手術によって機能と外観の回復を図ります。
放射線療法
高エネルギーのX線やガンマ線をがん細胞に照射し、DNAを損傷させて死滅させる治療法です。
早期の喉頭がんや上咽頭がんでは、放射線単独療法で高い治癒率が得られることがあります。
化学療法(抗がん剤治療)
抗がん剤を用いてがん細胞を攻撃する治療法です。
頭頸部がんでは、放射線療法と併用する化学放射線療法が標準治療となることが多くあります。
免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)
近年、再発・転移性頭頸部がんに対して免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ、ペムブロリズマブなど)が承認され、治療選択肢が広がっています。
治療後の経過と注意点
頭頸部がん治療後は、定期的なフォロアップが極めて重要です。
再発の早期発見、治療による後遺症(嚥下障害、構音障害、甲状腺機能低下など)の管理、二次がんのスクリニングなどを継続的に行う必要があります。
また、治療後の生活の質(QOL)を維持・向上させるため、嚥下訓練、発声訓練などのリハビリテーションや栄養サポトも重要です。
うおずみ耳鼻咽喉科では、頭頸部がん専門医として豊富な経験を持つ院長が、患者様一人ひとりの症状に真摯に向き合い、わかりやすい説明と適切な診断・治療方針のご提案を行います。
「声がかすれる」「のどに違和感がある」「首にしこりがある」など、気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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