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- 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
「いつも鼻がつまっている」
「頭が重く感じる」
「黄色い鼻水が出る」
このような症状が長期間続いている方は、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の可能性があります。
慢性副鼻腔炎は、鼻の周りにある副鼻腔という空洞に12週間以上続く炎症が生じる疾患です。
一般的に「蓄膿症」という名前で知られていますが、これは副鼻腔内に膿が溜まっている状態を表す言葉です。
私たちの顔には、上顎洞(頬の下)、前頭洞(額の内側)、篩骨洞(目と鼻の間)、蝶形骨洞(頭の中心付近)の4種類の副鼻腔があります。
これらの副鼻腔は通常、空気で満たされており、鼻腔との間に小さな通路(自然口)があります。
慢性副鼻腔炎では、この通路が何らかの原因で塞がれ、副鼻腔内に分泌物が溜まり、細菌が増殖して炎症が長期間続きます。
日本耳鼻咽喉科学会の報告によると、日本人の約8〜10%が慢性副鼻腔炎に罹患しているとされています。
特に20〜50代の働き盛りの年齢層に多く見られる疾患です。
主な症状
「朝起きると喉に何かが流れてくる感じがする」「会話中に鼻声になってしまう」など、慢性副鼻腔炎には特徴的な症状があります。
慢性副鼻腔炎の主な症状には以下のようなものがあります。
鼻の症状
- 鼻づまり(特に片側または両側が長期間続く)
- 鼻水(黄色や緑色の粘り気のある鼻水)
- 後鼻漏(鼻水が喉の奥に流れる感覚)
- 嗅覚の低下または喪失
顔面の症状
- 顔面の圧迫感や痛み(特に前かがみになったときに悪化)
- 頬、額、目の周りの痛みや不快感
- 頭痛(特に朝方や寝起きに悪化することが多い)
その他の症状
- 慢性的な咳(特に夜間や朝方)
- 疲労感や全身のだるさ
- 睡眠の質の低下
- 集中力の低下
- 声の変化(鼻声)
風邪の症状と似ていますが、重要な違いは症状の持続期間です。
風邪の症状は通常1〜2週間で改善しますが、慢性副鼻腔炎の症状は12週間以上続きます。
また、抗生物質などの治療を受けても完全には改善せず、繰り返し症状が現れることが特徴です。
主な原因
アレルギー性疾患
アレルギー性鼻炎やアスピリン喘息などのアレルギー疾患は、鼻の粘膜の腫れを引き起こし、副鼻腔の排出路を塞ぐことで慢性副鼻腔炎の原因となります。
日本アレルギー学会の報告によると、慢性副鼻腔炎患者の約40%がアレルギー性鼻炎を合併しているとされています。
感染症
急性副鼻腔炎の不適切な治療や繰り返す上気道感染が慢性化することがあります。
また、歯の感染症(特に上顎の奥歯)が上顎洞に波及することもあります。
解剖学的要因
鼻中隔湾曲症(鼻の仕切りが曲がっている状態)や鼻茸(はなたけ)と呼ばれる良性の腫瘤、副鼻腔の自然口の狭窄などが原因となることがあります。
日本人の約30%は何らかの鼻の解剖学的異常を持っているとされ、これが慢性副鼻腔炎の発症リスクを高めています。
生活環境要因
喫煙(能動喫煙・受動喫煙ともに)、大気汚染、乾燥した環境などが慢性副鼻腔炎の発症に繋がることもあります。
厚生労働省の調査では、喫煙者は非喫煙者に比べて約1.5倍慢性副鼻腔炎になりやすいことが示されています。
慢性副鼻腔炎の診断方法
① 問診と鼻内視鏡検査
まず、症状の経過や既往歴、アレルギーの有無などを詳しくお聞きします。
その後、細径の内視鏡を用いて鼻腔内を詳細に観察します。
当院ではファイバースコープ(内視鏡)を導入しており、鼻茸(はなたけ)の有無や中鼻道からの膿の排出、鼻粘膜の状態などを詳細に確認することができます。
② 画像診断
慢性副鼻腔炎の確定診断には画像検査が不可欠です。
当院ではレントゲン検査によって副鼻腔の炎症の程度や範囲を調べます。
慢性副鼻腔炎の治療方法
薬物療法
- 抗菌薬治療
- ステロイド治療
- 抗アレルギー薬
手術療法
薬物療法で十分な効果が得られない場合、内視鏡下副鼻腔手術を検討します。
手術が必要となる場合は、連携医療機関にご紹介させていただきます。
自宅でできるケア
生理食塩水による鼻洗浄は、副鼻腔の分泌物を排出し、症状を軽減するのに役立ちます。
専用の鼻洗浄ボトルを使用して、1日1~2回の洗浄をお勧めします。
慢性副鼻腔炎でお悩みの方は、早めに姫路市飾磨区のうおずみ耳鼻咽喉科へご相談ください。
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