めまい

めまいには大きく分けて「回転性めまい」「浮動性(動揺性)めまい」「立ちくらみのようなめまい」の3種類があります。

回転性めまい

「自分自身や周囲の景色がぐるぐる回っている」と感じるめまいです。
まるで回転木馬に乗っているような感覚や、部屋全体が回転しているような強い不快感を伴います。
この種類のめまいは内耳の異常が原因であることが多く、以下のような特徴があります。

  • 発作的に起こることが多い
  • 数秒から数分、長いものでは数時間続くことがある
  • 吐き気や嘔吐を伴うことが多い
  • 耳鳴りや難聴を伴うこともある

代表的な疾患としては、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎などがあります。
日本めまい平衡医学会の統計によると、めまい患者の約40%がこの回転性めまいを訴えると報告されています。

浮動性(動揺性)めまい

「ふわふわ」「ふらふら」「宙に浮いたような」感覚のめまいです。
船に乗っているような浮遊感や不安定感が特徴で、地面がゆれているような感覚を訴える方も多いです。
この種類のめまいには以下のような特徴があります。

  • 比較的長時間(数時間から数日間)続くことが多い
  • 常に症状がある場合と、間欠的に起こる場合がある
  • 回転性めまいほど強い吐き気は伴わないことが多い
  • 頭痛を伴うことがある

原因としては、内耳機能の低下、自律神経の乱れ、ストレスや疲労、頸椎の問題などが考えられます。
また、前庭神経炎やメニエール病の回復期にもこのタイプのめまいが見られることがあります。

立ちくらみのようなめまい

「目の前が暗くなる」「フッと気が遠くなる」「意識が薄れそうになる」といった感覚のめまいです。
医学的には「前失神状態」とも呼ばれ、以下のような特徴があります。

  • 急に立ち上がった時などに起こりやすい
  • 数秒から数十秒程度で収まることが多い
  • 冷や汗や顔面蒼白を伴うことがある
  • 心臓がドキドキすることがある

原因としては、起立性低血圧、貧血、低血糖、脱水、自律神経失調症などが考えられます。
また、一部の循環器疾患や薬の副作用でも起こることがあります。
高齢者の約20%がこのタイプのめまい症状を経験しているとされています。

耳鼻咽喉科で治療する主なめまい疾患

耳鼻咽喉科で治療する主なめまい疾患

耳鼻咽喉科で扱うめまいは主に内耳や前庭神経の異常によるものです。
代表的な疾患として良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎があります。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)

めまい疾患の中で最も頻度が高い疾患で、全人口の2~3%が一生に一度は経験するとされています。

原因 内耳の三半規管の中に「耳石」と呼ばれる小さな結晶があり、これが剥がれて半規管内に迷入することで起こります。
加齢、頭部外傷、長期の臥床、内耳の炎症などが原因として考えられています。
症状
  • 特定の頭位変換(寝返り、起床時、上を見上げる時など)で突然起こる強い回転性めまい
  • めまいの持続時間は数秒〜数分と短い
  • めまいは繰り返し起こるが、次第に軽減していく傾向がある
  • 難聴や耳鳴りは通常伴わない
治療 治療の中心は「耳石置換法」と呼ばれる特殊な頭位変換法です。
当院では代表的なEpley法やGufoni法などを症状に応じて行います。

メニエール病

内耳の水分バランスが崩れることで起こる病気で、30~50代に多く見られます。女性にやや多い傾向があります。

原因 内耳にある「内リンパ液」という液体が過剰に溜まる「内リンパ水腫」という状態が原因です。
ストレス、疲労、自律神経の乱れ、アレルギー体質などが関連していると考えられており、遺伝的要素も指摘されています。
症状
  • 突然発症する激しい回転性めまい発作(数十分~数時間持続)
  • めまいに伴う耳鳴り、耳閉感、難聴(特に低音域)
  • 症状は一側の耳に起こることが多い
  • 発作と発作の間は無症状のことが多い
  • 繰り返し発作が起こる
治療
  • 急性期:めまい発作時は安静にし、抗めまい薬、制吐薬などで対症療法を行います
  • 慢性期:塩分制限、利尿剤の服用、血流改善薬などの薬物療法を行います
  • 生活指導:ストレス管理、十分な睡眠などが重要です

治療により約70%の患者さんで発作の頻度や強さが軽減しますが、完治が難しい場合もあり、長期的な管理が必要な疾患です。

前庭神経炎

内耳の平衡感覚を脳に伝える「前庭神経」に急性の炎症が生じる疾患です。

原因 多くの場合、ウイルス感染が原因と考えられています。
免疫力が低下している時に発症しやすい傾向があります。
症状
  • 突然発症する激しい回転性めまい
  • めまいは数日間持続することが多い
  • 強い吐き気・嘔吐を伴う
  • 難聴は通常伴わない
  • めまいが治まった後も、数週間〜数ヶ月間ふらつきが続くことがある
治療と経過
  • 急性期:安静、抗めまい薬、制吐薬、ステロイド薬などを使用します
  • 回復期:前庭リハビリテーション(めまい体操)が重要です

急性期のめまいは1週間程度で軽減しますが、完全な回復には1~3ヶ月かかることもあります。
再発はまれです。

めまいを伴う突発性難聴

突然の難聴とともにめまいを伴う緊急性の高い疾患です。

原因 内耳のウイルス感染、内耳の血流障害、自己免疫疾患などが原因として考えられていますが、明確な原因は特定されていません。
症状
  • 突然の一側性の難聴
  • 回転性めまいを伴うことがある
  • 耳鳴りを伴うことが多い
  • 耳閉感がある
治療と経過
  • ステロイド薬の全身投与または鼓室内投与
  • 循環改善薬の投与
  • 安静、ストレスの軽減

発症から2週間以内の治療開始が望ましく、特に3日以内の治療開始で回復率が高くなります。

当院におけるめまい検査の特徴

うおずみ耳鼻咽喉科では、これらの疾患を正確に診断するために、最新の検査機器を用いた検査を行っています。

01

聴力検査

めまいと難聴は密接に関連していることが多く、特にメニエール病や突発性難聴の診断には不可欠です。

02

重心動揺検査

患者さんに専用の台の上に立っていただき、体のバランスの揺れを数値化・視覚化する検査です。
前庭機能の低下程度や回復過程を客観的に評価できます。リハビリテーションの効果判定にも有用です。

03

赤外線CCD検査

赤外線カメラを用いて目の動きを観察する検査です。
通常の診察では見えない微細な眼振を捉えることができ、BPPVやメニエール病など内耳性めまいの正確な診断に役立ちます。

04

PitEye検査

PitEye検査VR技術を用いためまい検査機器で、従来は大学病院でしか行えなかった精密な眼球運動の分析が可能になりました。
中枢性めまいの兆候を探すことに有効です。


05

迷路瘻孔症状検査

外耳に圧力をかけて、めまい症状や眼振が誘発されるかを確認する検査です。

中耳炎の合併症や外傷による内耳障害の診断に有用です。

めまい受診のタイミング

めまい受診のタイミング

以下のような症状がある場合は、早めに姫路市飾磨区のうおずみ耳鼻咽喉科までご相談ください。

  • 繰り返すめまい発作がある
  • めまいと共に耳鳴りや難聴がある
  • 頭痛を伴うめまいがある
  • めまいで日常生活に支障が出ている
  • 立ちくらみが頻繁に起こる
  • めまいと共に意識消失や言語障害、手足のしびれがある(この場合は緊急性が高いです)
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